当研究分野では、動的高解像度画像計測と分散型コンピューテーションの革新的融合研究に基づく先端流体解析手法の開発・体系化を目指すとともに,次世代エネルギーに直結した新しい混相流体工学応用機器の開発・最適設計ならびに創成を目的とした応用研究を推進している。特に数値解析の手法としては近年その発展が著しいクラスター型の並列計算による分散型コンピューティング手法を積極的に取り入れ,計測結果の分散型取りこみと並列計算の融合研究により高精度の流体機器設計手法を確立することを目標としている.
インジェクターノズル内噴霧微粒化機構に関する一体型シミュレーション技術に関する融合研究
自動車のガソリンエンジンインジェクターノズルあるいは液体燃料ロケットの液体酸素・水素ロケット噴射器(インジェクター)における極低温流体の液柱から液滴への分裂過程,キャビテーションを伴う噴孔上流の流れを考慮した分裂過程,分裂を経て微粒化液滴形成に至るまで一連の気−液滴混相流動場に関し,LES-VOF法を用いた一体型非定常3次元混相乱流解析を行い,インジェクターノズル内液体微粒化メカニズムに関する詳細な数値予測を行っている.さらに微粒化ソルバーの改良を行い,自動車ガソリンあるいは液体ロケット用インジェクターノズルの複雑形状に適応しうるソルバーの開発をめざしている.実際の数値解析の実施に当たっては,大規模混相乱流を扱ったCFDであるので高速PCクラスターの並列計算による分散型コンピューティング手法を用い,さらに計測結果の分散型フィードバック処理を付加することにより融合解析結果の精度向上を図っている.
|